ここでは、ト音記号の下に数字の8がついた
場合の読み方について学んでいきましょう。
そんなのあったっけ?と思った方もいるかと
思いますが、実はバンドでよく使うあの楽器は
正確に表すと、ト音記号の下に数字の8がついた
ものになります。
ますはじめに、
「オクターブってなに?」
というところから入りますので
全く知らなくても大丈夫です。
安心してください。
それではいきましょう。
オクターブとは何か
辞書によると
全音階で、ある音から8番目の音。
また、その2音間のへだたり。
完全8度音程をなし、
物理的には両音の振動数は
1対2となる。
‐goo辞書より‐
とのことです。
正しいです。
振動数(Hz)にも触れていて
すばらしいですが、
ここではシンプルにいきます。
楽譜上で音と音が8個離れている音の関係
とします。
それでは、
C4の音を対象とした場合を楽譜と共に
見てみましょう。
違和感を覚えた人がいると思いますので、
先に音が離れている数え方について
解説します。
音楽の世界では隣の音は2から数え始めます。
この数える単位を
度
という単位で表します。
同じ音の
C4とC4は1度の関係にある
と考えます。
そのため、
C4とD4は2度の関係にあり、
上記では2から始まっているというわけです。
度の考え方についてはハーモニーの説明の時に
改めて詳しく説明しますので、今は、
いくつ離れているかを数えるときは2から始める
と考えてください。
それを踏まえて改めて見てみると
C4とC5が8個離れている
つまり、オクターブの関係になっているのが
わかるかと思います。
気がつきましたね?
数字は違いますが、同じCですね。
そうです。
アルファベット部分が同じで数字部分が違う音
はオクターブの関係にあります。
さらに数字の差の数だけ
・○オクターブ高い
・○オクターブ低い
という表現がされます。
例えば、
・C5はC4よりも1オクターブ高い
・C4はC6よりも2オクターブ低い
といった形ですね。
さて、これでオクターブの意味については
大丈夫ですね!
では次にこれに関係する音部記号について
説明します。
8が付いたト音記号での音の読み方
音部記号としては
ト音記号の部類に入りますが、
8というオクターブ記号を付けると
扱う領域が変わります。
それでは早速、
オクターブ記号を付けたト音記号を
見てみましょう。
前のコンテンツのト音記号にはなかった
8の数字が下についていますね。
これは何を意味しているのでしょうか?
答えの前に8が下についたト音記号で表される
音を見てみます。
気がつきましたね?
アルファベット部分は前のコンテンツと
全く同じですが、
数字が全て1つ小さくなっています。
つまり、普通のト音記号で表された音よりも
1オクターブ低く
となります。
それではこれを踏まえると
8が付いたト音記号で
扱う音の幅(カバーする音域)は、
下記のようになります。
記号についてもう1つ触れておきます。
なぜ8を付けるの?
という点ですが、
先ほど定義した通り1オクターブは
楽譜上で音と音が8個離れている音の関係
だからです。
ちょっと覚えやすくなりましたか?
8が付いたト音記号で扱われるパート
8が下に付いたト音記号で表しやすいパートは
何になるのかを紹介します。
ずばり
リズムギター
です。
アコースティックギター、エレキギター
などギターの違いはありますが、
リズムギターはこの音部記号で表される
音域を主にカバーしています。
補足1 実は上に8が付くト音記号もある
今までは8をト音記号の下につけてきましたが、
実は上に付けることもできます。
実際に上に8を付けたト音記号と音を見てみましょう。
いかがでしょうか?
予想通りといった感じだったでしょうか。
普通のト音記号の
1オクターブ高い
ですね。
この音部記号は、
ポップスやバンドの曲で使われる頻度は
かなり低いため、
ここでは補足として取り上げました。
補足2 バンドスコアでは8がない場合もある
なぜここで1コンテンツ丸々使って、
説明したかというと
ギターの音域を
勘違いしている人が多い
からです。
バンドスコアやギター教本を見てみると
ト音記号に8が付いていない場合があります。
バンドスコアやギター教本を買う人が
TAB譜を求めているせいなのか
ハッキリした理由は分かりませんが、
事実として
かなり多くの場合、8の記載がありません。
TAB譜があったらそちらを参照しがちに
なると思いますし、私も実際目を奪われます。
そして、演奏する分にはTAB譜で
情報量は足りてしまいます。
しかし、楽譜を読むという点では
ト音記号の音符をみることになるので
ギターの5弦3フレッドのドはC3なんだな
とちゃんと把握しておきましょう。
また、作曲する上で注意すべきは、
DTM(打ち込み)の場合です。
最近の作曲はDTMで行われることが大半
だと思います。プロの現場でもそうです。
私は、DTMによる作曲で作った曲の
アドバイスや添削、アレンジをすることが
ありますが、リズムギターの音域が
1オクターブ上になっているケースが
見受けられます。
これだと、
実際に弾いてレコーディングする場合、
無理が生じてくるのでとりあえず
1オクターブ下に直しますが、
作り直しと同等の作業になってくるので
もったいないです。
そのため、あなたにはココでしっかり
おさえておいてほしかったわけです。
最後に
ここで扱われるパートは
リズムギターのみでしたが、
作曲する上でかなり高い頻度で使うパート
になると思うので、
リズムギターの音域(カバー領域)については
確実におさえてくださいね。
読み方自体は、ト音記号での読み方が
わかっているのであれば、
問題ないと思いますので、
ト音記号に付いた8
と
オクターブ
について理解できていればOKですね。
それでは、次は
に進みましょう。