ENDLESS RAINのドラムリズムを詳しく考察

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X JAPAN初のバラード曲でもあり、

ライブでは必ず演奏される

ENDLESS RAINのリズムパターン

について考察します。

1曲を通して王道の刻み方から

特殊な刻み方も織り交ぜており、

聴いてて心地よいバラードの乗りを

出しているのが感じられます。

BPMも76~80程度であり、

バラードのジャンルとして王道な

数値と言えます。

導入のドラム:フィルイン、Aメロ

まずフィルインのドラムパターンです。

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タムのみを使った単音による

フィルインとなっています。

リズム構成の基本となる

バスドラ、スネア、シンバルを抜いて

静かめなフィルインとして

Aメロへスムーズに繋いでいると

考えられます。

次にAメロのドラムパターンです。

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Aメロは3拍目にスネアを置いて

全体を通して見るとバラードの導入らしく

2ビートっぽくゆったりめな印象を

与えています。

バスドラムは1拍目に8分音符で2つ入れる形で

うるさくならない、

かつボーカル、ピアノ、リズムギターの

8分音符刻みと調和が取れています。

シンバルは、

クラッシュシンバルを入れているのは

最初の1回だけで後はライドシンバルで

8分音符の刻み、アタックは弱めで

ピアノ、リズムギターのリズムを

活かすように使用している印象を受けます。

安定させるドラム:Bメロ、サビ

Bメロのドラムパターンです。

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Bメロと似ているので、

サビのドラムパターンも続けて載せます。

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スネア位置を2拍目、4拍目に持ってきており、

Aメロの倍の4ビートっぽい印象へと

変化しています。

バスドラムは、

Aメロが1拍目に8分音符2つだったのに対し、

Bメロとサビでは1拍目に4分音符、

3拍目に8分音符2つを基準としており、

Aメロから通すと乗りが段々良くなっているのが

わかると思います。

盛り上げるドラム:Cメロ、ギターソロ

Cメロのドラムパターンです。

Cメロの1拍前から変化があるので

Cメロ1拍前+Cメロです。

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ギターソロは、

サビと同じリズムパターンですが、

曲全体の中で一番刻みが細かいCメロの刻みを

入れることによって、違うパターンを

思わせるような印象があります。

Cメロは入り前の1拍前から

Cメロの4小節全体を通して

サビからの変化を行い、

ギターソロへの展開を見せています。

特にCメロラストの小節は

6連符で畳みかけてギターソロへの展開へと

繋いでおり、よりギターソロが引き立つ

リズム構成になっているように感じられます。

シンバルは8分音符の刻みを

安定させて続けていますが、

バスドラム、スネアに変化が

あるので見てみましょう。

バスドラムは、各小節の1拍目と3拍目で

刻むのを基準としていますが、

8分音符1回、16分音符2回など

それぞれの拍で後半に刻みを多くして

テンポは同じでも乗りが若干速くなっていく

感覚になり盛り上がるように感じられます。

スネアドラムは1小節目と3小節目のパターンが

少し似ていますが、

各小節とも独特な刻み方をしており、

Cメロ1拍前+Cメロ4小節全体で

スネアのリズムが構成されている印象です。

16拍をフルに使って

刻みすぎないスネアロールを

長めに行うようなイメージに感じました。

今までは1小節に2拍目、4拍目に

規則正しく刻まれていたのと

対照になっており、

バスドラムと合わせてより変化と盛り上がりが

感じられるのではないかと思います。

それでは一通り考察してみたところで、

実際のドラム演奏を見てみましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=0ZRTTJ4H91Y

※私の演奏ではありません。素晴らしいカバーだと思います。

理解が深まったり、リズムに関する視点が

また1つ変わってくると思います。

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